有料老人ホーム 神奈川の資料公開

いくら商品開発しやすいメニューでも、その努力をしなければ何にもならない。 このメリットはすべてのラーメン店に等しく与えられているのである。
他店に先駆けてそのメリットを享受するにはどうすればいいのか。 まず、商品の可能性からじっくりと考えてほしいと思う。
どんなお店つくりをめざすべきかいま、多くの外食業が注目しているのは女性客である。 女性客は、これからの飲食店の成功のカギを握っているからだ。
実際、女性客に支持されることが繁盛の第一の条件になっている業種は少なくない。 というより、女性客に好かれるということ自体に大事な意味があるのである。
ラーメン店も同じだ。 要するに、成功するラーメン店をつくるには、まず女性客に支持されるようなお店づくりを考えなければいけないということだ。

ではなぜ、そんなにも女性客が大事なのか。 不審に思う人もいるだろう。
ふだん利用しているラーメン店はけっこう繁盛しているけれど、お客の大多数は男性客だ、と。 また、男性客といっても客層はかなり幅広いのだし、女性客を特別意識する必要などないのではないか、と思うかもしれない。
最初にいっておくが、間違いである。 というより、そういう意見の人は、表面的なことにばかり目を奪われていて、ビジネスとして大事なことを見逃しているのだ。
日本人の大のラーメン好きという特性が、市場規模をどんどん押し上げている、と。 一方で私は、こうも指摘しておいた。
全国には5万店のラーメン店がひしめき合っていて、その競争は非常に厳しい状況にある、と。 たしかに市場規模は大きいが、平均的なラーメン店1店当たりの売上げは日商で3〜4万円でしかない。
現状なのである。 この過当競争状態から一歩抜け出し、確かな繁盛店の地位を築くには、従来のニーズにばかり頼るのではなく、埋もれているニーズをいち早く掘り起こす必要がある。
いうまでもなく、いまだ埋もれているニーズとは女性客のことである。 一般に、ラーメン店の女性客比率はせいぜい10%程度といわれている。
この比率は立地などによって左右されるが、ふつうのラーメン店ではよくてこんなものである。 この比率は通常の飲食店としてはかなり特殊な部類に入る。

それこそが従来のラーメン店の構造的ともいえる欠陥だったのである。 日本人のラーメン好きというのは、何も男性だけの特徴ではない。
女性も大好きである。 というより、そもそも女性は麺類が好きなのだ。
だから、最近はそば.うどん店も女性客で賑わっている。 また、若い女性たちがコンビニでカップ麺を買うのは、いまや当たり前の光景だ。
主婦層はスーパーで生麺タイプのラーメンを買っている。 コンビニやスーパーであれほどラーメンの品揃えに力を入れているのは、黙っていても女性客が買ってくれることをよく知っているからである。
ところが、現実には、そのラーメン大好きの女性がラーメン店にはあまり足を運んでいない。 どうしてなのか。
結論からいえば、女性客は別に、ラーメン店に入りたくないのではない。 入りたくても、入りたいと思えるようなお店がみつからない。
だから利用しないというだけの話なのだ。 たとえば、若い女性ならだれでもオシャレに気をつかう。
当たり前である。 とすれば、外食するにも当然、そのオシャレ感覚にマッチするお店を選ぶ。
残念彼女たちのそういう感覚にぴったりくるようなラーメン店は非常に少ない。 ラーメン店側の、ラーメンという商品についての間違った先入観が大きく影響しているといえる。

多くのラーメン店にとって、いまだに「たかがラーメン」でしかない。 そこに大きな問題がある。
たかがラーメンというのは、要するに、外食としては最低ラインの安物だ、という意識である。 オシャレをした若い女性を相手にしようという意識がまるでない。
どうせ縁のない客層だ、来たくなければ来なくていいよ、といわんばかりの態度である。 これでは女性客の比率が極端に低くて当然なのだ。
オシャレをした若い女性だからといって、別にサイフに余裕があるわけではない。 彼女たちがハンバーガーなどのファーストフードショップをよく利用する理由は、たんに安いとか、ハンバーガーが好きということだけではない。
いくら安くて好きでも、いつも、いつもでは飽きてしまう。 今日はラーメンを食べたいと思うのだが、ふつうのラーメン店にはちょっと入りづらい。
その欲求不満を、コンビニのカップ麺でまぎらわせているのである。 ところで、かつてはラーメン店以上に女性客と縁がなかった居酒屋だが、いまや若い女性客で大変な賑わいを見せている。
ラーメン店も、この居酒屋の変身ぶりを大いに見習うべきである。 ちょっと極端ないい方になるが、かつて居酒屋といえば中年男が酔っ払い、クダを巻く場所だった。
なかには明るい雰囲気のお店もあったが、一般には暗く陰湿なイメージがつきまとっていたといっていい。 そんなくらいだったから、商品についても安かろう、悪かろうのやり方が常識だった。
そのままでは、いまの市場の発展はあり得ない。 可能にしたのが、女性客重視の戦略だった。
ひと昔前、大変な居酒屋ブームがあったことは、まだ記憶に新しいはずだ。 あのブームの最大の貢献は、それまで中年男に独占されていた居酒屋が、若い女性が女性どうしで気軽に利用できるような場所になったことだった。

その牽引車となったのは、当時はまだ新興勢力の新しいタイプの居酒屋だった。 それらのお店から株式を上場する企業まで生まれたことは、だれでも知っている。
時代が変われば、消費行動も変化する。 埋もれたニーズの発掘とは、その変化を先取りすることだ。
飲食業においては、その変化のカギは女性客が握っている。 女性客、とくに若い女性たちの動向を見つめれば、ラーメン店の新潮流が見えてくるはずだ。
飲食店の看板はあくまで商品である。 ラーメン店の看板商品はラーメンである。
当たり前のことだが、このことがよくわかっていないお店があまりに多い。 看板商品とは、たんなる業種名ではない。
お客を呼べる商品という意味だ。 看板に「ラーメン」と書いておけばお客が来てくれるわけではない。
お客にとっては、どういう魅力のあるラーメンなのか、ということが問題なのであって、自分の欲求に応えてくれないラーメン店などなくてもいいと思っている。 飲食店ならいくらでもあるのだし、少し歩けば、納得のいくラーメン店が他にあるかもしれないのだから。

お店づくりに当たっては、このことをしっかりと肝に銘じてほしい。 日本人は、ラーメンが大好きである。
事実だが、ラーメンならどんなラーメンでもいいというわけではない。 ラーメンは日常食であり、大衆食である。
日常的に食べるものほど、いろいろとこだわりたくなるものだ。 だから、評判のラーメン店にはすぐに行列ができるし、その人気はなかなか衰えない。
安くていつでも気軽に食べられるメニューだからこそ、お客は安心してこだわれるともいえる。 こういうお客の心理をあなどってはいけない。
たとえていえばご飯の好みに似ている。 たいていの日本人なら、米の味にはちょっとうるさい。
おかずはともかく、少なくともご飯だけはおいしいもの、自分の好みに合ったものを食べたいと思っている。 よく寿司屋はシャリが命というが、実際問題として寿司屋だけの問題ではない。

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